芸術祭について

すみだ五彩の芸術祭とは

墨田という文字に含まれる「墨」。
水墨画では、墨や筆遣いと余白を組み合わせて多彩な世界を表現することを「墨に五彩あり」といいます。
この芸術祭では「すみだの五彩」をテーマに、色彩溢れるこの世界を芸術を通じて表現し、
地域や人の魅力、そしてすみだに暮らす喜びを再発見していきます。

コンセプトは「発気揚々」(はっきようよう)。
相撲の「はっきよい」というかけ声の元にもなったというこの言葉を胸に秘め、
作品を観て歩いたり、参加型の作品の一員になったり、作品をきっかけに話し合ってみたり。
そんな日々を繰り返すうち、仲間が生まれ、すみだがかけがえのない土地になっていく。
このコンセプトには、芸術を起点にすべての人がそれぞれのペースで居られる地域を創っていこうという気持ちが込められています。

2026年の秋、墨田区内各所で行われる、4ヶ月にわたるアートの祭りにご期待ください。

エグゼクティブディレクター

神野真吾エグゼクティブディレクターからのメッセージ

墨田区で芸術祭が開催される計画が持ち上がり、アートの専門家として墨田区に関わるようになりました。墨田区と言えば、やはり下町のイメージが強く、江戸時代以来の庶民のまちというイメージが多くの人の脳裏に浮かぶのではないかと思います。私も同様でした。しかし、実際のところ、関東大震災や東京大空襲の惨禍を経て、そうしたイメージとつながるような町並みはほとんど残っておらず、他の東京の街とさほど変わるところがないように思います。

しかし、墨田区に関わるようになって分かった大事なことは、墨田に生きる人たちがとても個性的で、墨田に強い愛情を持ち、様々な活動を生み出しているということでした。それがこの地域を最も強く特徴づけているものなのです。

すみだ五彩の芸術祭の「五彩」は、一見すると黒にしか見えない墨には、実は微妙に異なる彩りがあるということからつけられたものです。それは、表面的に見ただけではわからない、けれども一歩踏み込めばその魅力を知ることができるという墨田を表す言葉として、ふさわしいものと思います。 そして感性を駆使してその一歩を踏み込む場が、すみだ五彩の芸術祭です。

墨田に暮らす人、墨田に通う人、墨田をこれまではあまり知らなかった人たちが、アートを通してこの地の魅力を発見し、それぞれが墨田との新しい関係を構築していただく機会に、この芸術祭がなれたらと思います。

神野真吾さんのプロフィール画像

神野真吾

東京藝術大学大学院美術研究科修了(現代芸術論)。 山梨県立美術館学芸員を経て2006年より千葉大学教育学部。 アートの社会的価値についての理論的および実践的研究に取り組む。 千葉市文化芸術振興会議委員長、千葉アートネットワーク・プロジェクト(WiCAN)代表。

ディレクター
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青木彬さんのプロフィール画像
撮影:加藤甫

青木彬

1989年生まれ。現在は東京、京都を拠点に活動。首都大学東京インダストリアルアートコース卒業。アートを「よりよく生きるための術」と捉え、アーティストや企業、自治体と協働して様々なアートプロジェクトを企画している。主な活動に「SENSE ISLAND/LAND|感覚の島と感覚の地 2024」ゲストキュレーター(横須賀市,2024)、「三島満願芸術祭2024」ゲストキュレーター(三島市,2024)、まちを学びの場に見立てる「ファンタジア!ファンタジア!─生き方がかたちになったまち─」ディレクター(墨田区,2018~)などがある。『幻肢痛日記』(河出書房新社)著。
荻原康子さんのプロフィール画像

荻原康子

アーティスト・イン・レジデンスの調査や現場運営などを経て、1994年にINAX文化推進部所属、1996年よりキュレーター・オフィスで展覧会企画及び美術館運営補助業務に携わる。2001年に企業メセナ協議会入局、顕彰事業と機関誌等を担当し、延べ500件ほどのメセナ(芸術文化支援)活動を取材する。アサヒビールのメセナ活動「すみだ川アートプロジェクト」他のコーディネート、「東日本大震災 文化・芸術による復興支援ファンド」の設立等にも関わる。2011年に事務局長就任。2017年に墨田区文化振興財団常務理事就任、2019年よりアートプロジェクト「隅田川 森羅万象 墨に夢」統括ディレクター。2020年より上田市交流文化芸術センター(サントミューゼ)総合プロデューサー、2025年に館長着任。
清宮陵一さんのプロフィール画像

清宮陵一

1974年東東京生まれ。21世紀初日にアナログ専門レーベルvinylsoyuzをスタート。坂本龍一氏のcommmonsに参画後、音楽プロダクション合同会社ヴァイナルソユーズを立ち上げ、様々なアーティストのサポートや特別なヴェニューでのパフォーマンスをプロデュース。『BOYCOTT RHYTHM MACHINE VERSUS』『ELECTRONICOS FANTASTICOS!』を主宰。2014年設立のNPO法人トッピングイーストでは、参加型のアートプログラムを東東京で実践。2021年より『隅田川怒涛』シリーズを展開中。「すみゆめ」の名付け親でもあり「すみゆめ踊行列」の企画制作も担当。
三田大介さんのプロフィール画像

三田大介

1972年東京都墨田区生まれ。東京工業大学(現東京科学大学)大学院人間環境システム専攻修了。建設コンサルタント会社、都市デザイン事務所勤務を経て独立。2013年に共同で立ち上げた地域のクリエイターのグループ「すみだクリエイターズクラブ」のメンバーと共に、地元墨田区を拠点に福祉・産業・文化などの分野で地域コミュニティをつなぐコーディネーターとして活動している。主な活動に、障害者福祉事業所工賃UPプロジェクト「すみのわ」(2014〜)、墨田区発の福祉アートプロジェクト「みんな北斎」(2016〜)、地域の個店の課題解決をサポートする「墨田区商業コーディネーター」(2017〜)、すみだ3M運動40周年祭(2024)副実行委員長など。

ロゴデザイン

平安時代、現在の墨田区業平の地(現在の東京スカイツリーの立つ地)にて在原業平が詠んだ『都鳥』。
平安の時代から現在、そして恐らく未来も、都鳥は、この地を飛んでいるであろう存在であること、を想像します。
都鳥を、時空を超え平安の時代から永く墨田区の「過去・現在・未来」を繋ぐ存在と捉え、
この地で引き継がれている大切な物事、多くの先人達、
そして私達一人一人の、経験・想い・願いをも未来へと繋いでゆく存在として、
すみだ五彩の芸術祭ロゴへとデザインさせて頂きました。
多くの物事を発見し、伝え、未来へ繋ぎ、これまで、気づかなかったことに気づかせてくれ、
見えなかった物事を見せてくれる、多くの役を担うであろう、すみだ五彩の芸術祭の象徴となる、
時代や人々を繋ぐキーワード、墨田区の更なる心豊かな美しい未来を創造すべく、
時代を超えて羽ばたいてゆくロゴマークです。(コンセプト・デザイン:髙橋正実)

髙橋正実さんのプロフィール画像

髙橋正実

クリエイティブディレクター/デザイナー 墨田区生まれ。桑沢デザイン研究所研究科卒業。MASAMI DESIGN代表取締役。仕事はブランディング、グランドデザイン、企業全体・国・地域等の未来構想、コンサルティング、CI、グラフィック、プロダクト、パッケージ、インテリア、建築空間、科学研究分野、素材技術開発発明等多岐に渡る。十代の頃「社会の問題解決策としてのデザイン」という考え方を発表の後、「ブランドストーリー」「特殊印刷・特殊加工」「社会の問題解決(=社会課題の解決)」「ヒト・コト・モノ」「社会のデザイン」等現在一般的に使われている言葉や概念を社会のためにと数多く生み、デザインを広く可能性を持つものとして広める活動を長きに渡り行ってきている。また、デザイナーという職業が日本の教科書ではじめて登場した際、登場・執筆を担当した人物でもある。国立大学法人豊橋技術科学大学 客員教授、iU 客員教授。

広報宣伝プロデューサー

森隆一郎(合同会社渚と)さんのプロフィール画像
撮影:平間至

森隆一郎(合同会社渚と)

合同会社渚と 代表
芸術文化の現場制作・広報やリサーチなどに携わる。境界線が揺らぐ場=「渚」にちなんで、アートと社会の間に新しい関係性を育むことを目指す。これまで、東京や福島で文化施設の新たなあり方を実践、アーツカウンシル東京でPRディレクターを務め、2018年に独立。2022年から25年までアーツカウンシルさいたまでプログラムディレクターを務める。現在は、銀座ヴィジョン会議、文化コモンズ研究所、青山学院大学非常勤講師など。共著に「文化からの復興 市民と震災といわきアリオスと」水曜社

広報デザイン制作チーム

すみだクリエイターズクラブさんのプロフィール画像

すみだクリエイターズクラブ

すみだクリエイターズクラブは、ものづくりのまち墨田区で活動する多彩なジャンルのクリエイター集団。「愛と品質。」をキーワードに、行政・地域企業・団体などのプロモーション・ブランディングを手がけている。「銭湯バカンス」「Tシャツ展」といった自主イベントも毎年実施。発足から10年を迎えた2023年には、その活動が墨田区産業振興課の「すみだモダン2023」においてブランド認証されている。
AD:木村吉見 D:三輪明日香 C:三井千賀子 PD:三橋美也子

地域コーディネーター
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すみだ五彩の芸術祭は、単に作品を展示する場にとどまらず、地域の皆さんとともにつくりあげていくことを目指します。会期中はもちろん、会期外にも関連イベントを展開することで、そのつながりを広げていきます。また、地域と芸術祭をつなぐ存在として「地域コーディネーター」が加わり、誰もが参加しやすい環境づくりのために共に活動を進めてまいります。

多賀健太郎さんのプロフィール画像

多賀健太郎

1981年生まれ、2011年から墨田区在住。2019年に墨田区で起業。タグ・エー合同会社代表。すみだストリートジャズフェスティバル実行委員長、墨田区商店街振興組合連合会企画担当など、音楽・観光・地域振興の分野で幅広く活動。小笠原諸島や八丈島などで地域振興系音楽イベントを立ち上げ、地域資源の魅力を発信する「アット・ジ・アース プロジェクト」を主宰。商店街PRや観光イベントの企画・運営、メディア編集など多岐にわたりプロデュースを手がける。
長加誉さんのプロフィール画像

長加誉

墨田区出身、墨田区在住、2009年に鳩の街通り商店街「鈴木荘」に来ていたレジデンスアーティストとの出会いをきっかけに地域、アートマネジメントの活動を始める。誰もが表現できる・挑戦できる地域の土壌に愛着を持ち、生活に近い場所にアートがある状況・環境を目指して、墨田区では「39アート in 向島」(2010-2019)を企画運営、「みんな北斎プロジェクト」(2016-)などに関わる。
細田侑さんのプロフィール画像
撮影:Hiromi Furusato

細田侑

WORK CINEMA Paradise・Ucycle代表。映画館の2階を拠点に、映画を軸に人々が働き・語り・ひらめく場「WORK CINEMA Paradise」を運営。1991年墨田区両国生まれ。大学でコミュニティマネジメントを学び、「すみだ青空市ヤッチャバ」参画や震災支援を経験。隅田川を舞台にしたアートフェスや野外映画祭「すみだパークシネマフェスティバル」など多様な場づくりを手がけ、2020年にUcycleを設立。公共空間活用、食の小商い支援、映像制作を展開している。
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